■ フランス語のネーミング
新年度に入り、新しい環境で生活する方も多くなってきたかと思います。
知人は新入学のお子さんを持つ親御さんなのですが、持ち物に名前を書くだけで大変だ~と嘆いていました。

そんな新たな環境への引っ越し祝いや、ご自身が忙しくて時間が取れない、慣れない場所での食事の準備が面倒、こんな時も簡単な宅配キットや、宅配の洋食や役立ちます!!
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入学準備の話題で名前について考えていたところ、フランス料理に携わり始めのころ、いくもの食材の名前をフランス語で覚えた際に、印象的な名前がいくつか思い浮かんできました。
例えば・・・
~マトダイ・マトウダイ~

日本では地域によって呼び方も異なり正直あまり馴染みのない魚の様にも思いますが、フランス料理では非常に有名です。
上品な白身魚でムニエルにしても、煮込み料理等にしても非常においしい魚です。
日本語では的鯛や馬頭鯛と書き、体表の中心の模様が【的】に見えるためや、顔が馬に似ているためとも云われています。

フランス語ではこの魚を『サン・ピエール(Saint-Pierre)』と呼びますが、日本語にすると、【聖ペトロ(聖ペテロ)】という人名が由来とされています。

キリストの十二使徒の一人として有名で、元はガリラヤ湖の漁師で、後に初代ローマ教皇とされる人物です。
(使徒は特に最近よく聞く単語ですね~。たしか・・・公開が待望されていた映画で・・・シン・エヴ・・・・劇場版の中でも・・・)
さて、この魚の特徴的な黒い斑点模様は、聖書の中の話と関係している様で、納税を求められ困っていたペトロに、キリストが『釣り針を垂らすと、最初に釣れた魚の口には銀貨が見つかる、それで払いなさい』と教え、捕まえた魚を持ったペトロの親指の跡として残っているのだ、という伝説があります。
また、イタリア語でも『ペッシェ・サン・ピエトロ(Pesce San Pietro)』と呼ばれ、ドイツ語やスペイン語等、多くのキリスト教のヨーロッパの国々でも同じ由来のネーミングになっているそうです。
ペトロには後に【天国の鍵】が授けられたことから、宗教画等では鍵を手にした姿で表現されます。
この鍵が教皇の象徴となり、バチカン市国の国章やローマ教皇庁の紋章にも、鍵の意匠があしらわれています。
この鍵を持った姿は、ワインの世界でも見つけることができます。
ボルドー・ポムロールの高級ワイン『シャトー・ペトリュス』は、聖ペトロの名を冠した有名なワインで、ラベルにも肖像が描かれています。
※ワインケースのロゴも天国の鍵がモチーフになっています
同じく、鍵がシンボルのワインとして、フランス・ローヌ地方南部のシャトーヌフ=デュ=パプも、有名ですが、これば一時期この地に教皇庁がおかれたことに由来しています。
※シャトーヌフ=デュ=パプのボトルに刻まれた鍵のシンボル
ちなみに、「ペトロ」はヨーロッパ諸言語の一般的な男性名としても用いられますので、フランス語のピエール、英語のピーター、イタリア語のピエトロ、ドイツ語のペーター、ロシア語のピョートル等の名前として馴染みのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
~旅する貝~
同じ様に聖人が名前の由来となったものは多いのですが、フランス料理で最も有名と言っても良いのが、帆立貝ではないでしょうか。
フランス語で『Coquille Saint-Jacques(コキーユ・サンジャック)』と呼ばれるこの食材も、元は漁師とされる十二使徒の一人【聖ヤコブ】が基になっており、Saint-Jacques(聖ヤコブ)のCoquille(貝)として親しまれています。
そして、帆立貝は聖ヤコブのシンボルとなり、ヨーロッパでは帆立貝といえば、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を連想する方も多いと聞きます。

この、聖ヤコブを祀るサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂への巡礼路は世界遺産にも登録され、フランス各地を中心にヨーロッパ中に起点があり、ピレネー山脈を越え、スペイン北部のサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す道になっています。
スペイン国内に入ってからも800㎞以上続き、パリからだと所要日数72日間を要し1700㎞以上をつないでいます。
巡礼者のシンボルが帆立貝とされており、巡礼の証として帆立貝を身に着けて歩きます。
現在では、観光やスポーツとしても人気があり、徒歩以外で自転車を使う人やバス・鉄道での方法もあるようです。


ちなみに、サンジャック【Saint-Jacques(聖ヤコブ)】はフランス語のジャック(Jacques)・ジャコブ(Jacob)、英語のジャック(Jack) ・ジェイコブ(Jacob)・ジェームズ(James)、イタリア語のジャコモ(Giacomo)等の人名の基にもなっている様です。
そんなネーミングについて考えているだけで、歴史的なロマンを感じるところですね。
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<ブログ投稿>
高橋 健太 KENTA TAKAHASHI
2003年 辻調理師専門学校フランス校 卒業後
フランス・ローアンヌ トロワグロ勤務
2004年 帰国後 アークヒルズクラブ 入社
その後、都内のレストランで勤務
2010年 ルヴェソンヴェール東京入社
日本ソムリエ協会 認定ソムリエ
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