■国際レストランコンクール体験記 Vol.7
皆様こんにちは!
ルヴェソンヴェールの高橋です。
前回に引き続き、2018年にフランスで行われた国際レストランコンクールに出場した際の事を書いていこうと思います。
~最終 料理審査~
完成直前に料理の提出時間の延期が言い渡され、最終調整に伊藤シェフは奮闘します。
ここでも予定外の事態の対応力が問われていた様に思います。
我々のチームは提供にあたり、特に温度に注意してのプレゼンテーションを行っていました。
特設会場は体育館以上もある大きな空間で、暖房は使用されていますが、すぐ外はこの時期-15℃になることもあるアルザスの地で、肌寒い空間です。
8名のゲスト役の試食審査員に大きな魚を切り分け、各皿に盛り付けている間も温度は下がり続けていきます。
冷めたクリームソースの魚料理は大前提としておいしくないですし、当然マイナス評価に繋がります。
盛り付けるお皿はもちろんの事、料理全体の乗る銀盆、魚を乗せるまな板、飾り土台の支えとした石ですらも、すべてオーブンで加熱し温度を保てるようにしてあります。
ゲストの前で料理を取り分ける際は、先の熱したまな板(特注品を日本から持ち込み)の上で切り分け、各皿や器財自体を発熱材(キャンプなどで使われる、水を足すと発熱するヒートパックです)で加熱しながら盛り付けます。
更に、大きな魚を解体しながら、同時に8皿の盛り付けを行いますので、途中で盛り付けを行えない皿が出てきてしまいます、この状態の皿には手製のクロッシュ(釣り鐘型の皿全体のカバー)で覆い保温しました。
このクロッシュも、作業スペースや制限時間等、様々な条件に合わせ、照明カバーを元に自分達で作り日本から持ち込みです。
制限時間内に料理をプレゼンテーションし、盛り付けや提供を行う間も、山口ソムリエと私には、ゲストを想定した審査員から声がかかります。
『私は炭酸水が欲しい』『私はパンはいらない』『この部分のソースについて教えて』『ワインの組み合わせについて教えて』『〇〇というワインがあると思うがどのようなもの』・・・・・等々
審査員は8名の試食審査員に加え、周囲で作業の状態や様子を審査する方もいます。
これらの審査員は豪華な方々で、世界最優秀ソムリエコンクールでの歴代の優勝者、フランスで国家最優秀職人章を持つ有名なメートル・ド・テル、現役の有名な三ツ星レストランのシェフ、著名な料理ジャーナリスト、日本でも有名な酒造メーカーの現当主等、現代のフランス料理分野の中心とも言える方々です。
審査中はそれぞれの意見を口にしながら試食は続きます、もちろん良い反応ばかりではなく、私はここが気に入らないとはっきり言われる方もいます。真摯に受け止めるのみです。
~審査結果発表~
我々の審査終了後、審査員は最終審議に入り、しばらくして結果発表が始まります。
審査発表までに各選手たちと話せる機会がありました。
親しくしていたカナダチームのメートル曰く、シェフが旅行気分で参加していると不満げで、今日の料理はあまり良い状態では無かったとこっそり打ち明けてくれました、ソムリエは色々考えることが多く、昨晩一睡もできなかったとのこと・・・
(ですよね~私も眠れませんでした・・・・)
フロコン・ド・セルのメンバーは面白いプレゼンだったと我々の提供方法にとても興味を持ってくれていました。
ラ・キャッセロールのソムリエは、学生時代一番大変だったアナリーゼを思い出したそうで、あえて傷んだワインの分析をこなす課題についての思い出などを語っていました。
キャプテンでもあるメートルはかなり自信があるようですが、結果はどうなるかわからないとのことです。
そんな話をするうちに発表が始まります、各選手はそれぞれの応援者と共に客席でその時を待ちます。
我々にも、日本から多くの関係者の方々が応援に来てくれていました、非常に心強かったです。
主催者の挨拶や総評などが終わると、4位から順次発表です。
【せめて、実質最下位の4位は避けたい・・・】と願います。
4位『カナダ ロレ・デュ・ボワ』
発表と共に、選手はステージ中央に招かれますが、楽しそうにインタビューに答えるシェフと対照的に、メートルの悟ったような表情と、ソムリエが唇をかみしめて悔しさをこらえている様子が印象的でした。
個人的には3位以内に入賞したことで十分と思うところもあり、3位は自分達だろうと呼び出される準備をしていました。
3位『フロコン・ド・セル』
まさかの前回優勝した三ツ星レストランのチームが3位!!
当初、優勝候補とも予想されていたチームだけに会場がどよめきます。
残すは我々と地元ストラスブールのチームです。
ここまでくると、欲が出てきてしまいます・・・・【もしかして優勝狙える!?!?】
結果は・・・・・
優勝『ストラスブール ラ・キャッセロール』
2位『日本 ルヴェソンヴェール』
優勝とは成りませんでしたが、多くの事を乗り越え、結果として準優勝と十分納得のできるものとなりました。
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<ブログ投稿>
高橋 健太 KENTA TAKAHASHI
2003年 辻調理師専門学校フランス校 卒業後
フランス・ローアンヌ トロワグロ勤務
2004年 帰国後 アークヒルズクラブ 入社
その後、都内のレストランで勤務
2010年 ルヴェソンヴェール東京入社
日本ソムリエ協会 認定ソムリエ
メートル・ド・セルヴィスの会 会員
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