■ ~食通と美食~
今も昔も、【食】は生活の質という面で大きな比率を占めています。
緊急事態宣言の営業自粛などで外食が減り、内食、中食が増え、食にかける時間もお金もこれまでと大きく変わってきたといわれています。
フランス料理の基になる、宮廷料理は王侯貴族社会の中で発展し、貴族達の暮らしの中にも【食】は大きく影響していた様です。
当時、有能な料理人を雇い日々の食事を楽しむだけでなく、時には権力の象徴として数日間に渡り豪華な饗宴を開催するなど【食】は政治的にも重要なアイテムでした。
王侯貴族の権力者達は影響力を誇示するかのように、自分たちの名前を冠した料理を提供し、料理人達も考案した料理に、仕えた人物の名前以外にも、城主を連想できる居城の名前などを名付け、宴を盛り上げていました。
料理文化が一般化してくると、考案した料理人の名前を冠した料理や、有名人に捧げるネーミングも現れます。
・~アンリ4世風
・~コンティ風
・~デュバリー風
・~シャンバロン風
・~アミラル風
・クレーム・(ド・)シャンティイ (シャンティイ城のクリーム)
・~パルマンティエ
・~デュグレレ風
・~メルバ風
・~フェルナン・ポワン風
等々、現在でも多くの料理名に残っています。
時代を経ると更に、食の楽しみを追求し【美食家】や【食通】と呼ばれる人物も現れます。
彼らは、もちろん自分自身が楽しんでいた面もありますが、食べる専門家ともいえ、多くの量を食べる事もあったでしょうが、どちらかというと高価な食材や、希少な食材を食し、レポートし、一般に食の楽しみを普及していた面もあります。
そして、彼らの名前を冠した料理も出てきます。
日本でも、美食家として北大路魯山人の名は非常に有名で、陶芸家としての顔はもちろん、会員制食堂の「美食倶楽部」の発足や、会員制高級料亭「星岡茶寮(星ヶ岡茶寮)」の顧問等、食の面での顔も有名です。
・ブリア・サヴァラン(チーズ名):「味覚の生理学」(日本では「美味礼賛」)の著者
・~ロッシーニ風
~美食家ロッシーニ~
先の<ロッシーニ風>が付くメニューは、イタリアの作曲家ジョアキーノ・ロッシーニの名を冠した料理で、現在でも多くのレストランで提供されるメニューです。
彼はオペラ作曲家として、『セビリアの理髪師』『チェネレントラ』『絹のはしご』『泥棒かささぎ』『ウィリアム・テル』等多くの名曲を残しています。そして、美食家としても有名ですね。
ロッシーニの名の付く料理としては『牛フィレ肉のロッシーニ風』が最も有名で、焼き上げた牛フィレ肉の上にフォアグラのポワレを乗せ、ソースはフォンドヴォー等をベースに、甘口のマデイラワインを合わせ、更にトリュフを入れた濃厚なペリグーソースで仕上げた豪華な一品です。
40代までに音楽業界から引退した後は美食の世界へそれまで以上に没頭し、晩年は高級レストランの経営も行っています。
この頃の作品で、ピアノ曲《老いのいたずら第4集》の中には、【4つの前菜】と【4つのデザート】というタイトルの作品があります。
【4つの前菜】は第1曲「ラディッシュ」、第2曲「アンチョビ」、第3曲「ピクルス」、第4曲「バター」。
【4つのデザート】は、第1曲「干しイチジク」、第2曲「アーモンド」、第3曲「干しぶどう」、第4曲「はしばみの実(ヘーゼルナッツ)」。
という曲を残し、【食】への思いの強さを感じます。
有名な肖像画でも判るように、肥満による健康上の問題も有ったようで・・・、美食の追及も程々が一番おいしいのではないのでしょうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ブログ投稿>
高橋 健太 KENTA TAKAHASHI
2003年 辻調理師専門学校フランス校 卒業後
フランス・ローアンヌ トロワグロ勤務
2004年 帰国後 アークヒルズクラブ 入社
その後、都内のレストランで勤務
2010年 ルヴェソンヴェール東京入社
日本ソムリエ協会 認定ソムリエ
メートル・ド・セルヴィスの会 会員
<><><><><><><><><><><><><
【公式】ルヴェソンヴェール東京|Instagram
https://instagram.com/leversonverre_tokyo…
【公式】ルヴェソンヴェール東京|Facebook
https://www.facebook.com/leversonverre.tokyo/
ちょっとベテランの髭シェフ|note
https://note.com/fumi_lsv/archives/2020
円居グループ|Online shop
https://madoi-lsv.com/
<><><><><><><><><><><><><
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません