■ ~ワインのオークション~

今回は有名なワインのオークションについてご紹介しようと思います。

ご覧の皆様は【オークション】に参加されることはございますか?

(※他者より高値で欲しい人が買う点は、Nintendo Switch・PS5等の有名ゲーム機や、少し前まではマスクや消毒液等でメディアでも取り上げられている転売問題と合わせて話題になることがありますが、本来のオークションとは全く別の事柄だと思いますので、ご理解いただけますと幸いです。)

オークションが話題になる時は、絵画や美術品、宝石や装飾品などのイメージもありますが、世界中でワインやスピリッツのオークションも盛んです。

世界的なオークションハウスでは、サザビーズやクリスティーズが有名ですし、eBay(イーベイ)やヤフーオークション等、インターネットで気軽に参加できるものも多く、オークション自体は以前に比べ身近に感じられる方も増えて来たのではないでしょうか。

高級ワインや希少なウイスキー等のスピリッツはこれらのオークションハウス等でも取引され、過去最高値が付いたニュースが時々話題になります。

近年では2018年に行われたサザビーズのオークションで1945年のロマネ・コンティが55万8000ドル(約6260万円)の超高額で落札され、オークションで取引された1本のワインとしての最高額を更新したのは記憶に新しいところです。

香港を中心にアジアでの取引の動きも活発で、昨年はサントリーのシングルモルトウイスキー「山崎55年」が、620万香港ドル(約8515万円)で落札され、2019年には埼玉県秩父市のベンチャーウイスキーの「イチローズモルト・カードシリーズ」計54本のセットが719万2000香港ドル(約9750万円)の高額で落札されたニュースが話題になり、既にワインやスピリッツは投資の対象となってきました。

※写真は1998年のロマネ・コンティ

~ブルゴーニュワインの祭典~

そんなワインのオークションで特に話題に上がることが多いのは、やはりフランス・ブルゴーニュの【オスピス・ド・ボーヌ】のオークションとそのワインについてではないでしょうか。

オスピス・ド・ボーヌは百年戦争や、ペスト(黒死病)により社会が混乱していた1443 年にブルゴーニュ公国の宰相ニコラ・ ロランが私財を投じ、貧しい人々のための施療院(慈善病院)を設立したことに始まります。

1457年からは賛同する貴族や生産者からワイン畑が寄進されはじめ、そこで作られたワインの販売収益で運営費が賄われていました。

その後約400年間は顧客にワインは直接販売されていましたが、 1859 年からは現在のような慈善オークションにかけられるようになりました。今でも販売された収益は全て慈善病院の運営等に使われています。

※ゴシック・フランボワイヨン様式と呼ばれるオスピス・ド・ボーヌの建物、モザイク模様の瓦屋根は観光名所としても有名

伝統的にワイン畑の寄進は続き、現在はピノ・ノワールの畑が50ha、シャルドネの畑が10haを超え、60ha以上のブドウ畑を所有しています。

さらに所有する畑の、85%がプルミエクリュとグランクリュに格付けされ、栽培を委託されている22人の生産者によって優良なワインが造り出されています。

毎年11月の第3日曜日に行われる競売会(オークション)はブルゴーニュワインの重要なイベントとなっていますし、2005年からは競売会がクリスティーズに委託されたことにより、更に活発な取引が行われています。

オスピス・ド・ボーヌのオークションは、通常のワインオークションとは少し異なり、ワインは樽ごとに売買されます。

毎年、約600樽が取引され、落札価格にはチャリティーの意味合いもありますので、一般的なワイン相場よりも割高な場合もありますが、安い樽だと100万円台で購入可能です。

2007年からは電話やインターネットでの入札ができるようになりましたので、世界中から個人でも参加可能になりました。

しかしながら、一樽から約288本のボトリングが行われますので、落札者はネゴシアン(ワイン商)やインポーター(輸入業者)、高級ホテルや有名レストランが多く、ワイン愛好家やワインコレクターが落札する場合もありますが、最近までは保管や輸送を考えると日本から個人での購入はなかなか大変でした、現在では一本から入札可能なサービスを提供する会社もあり、より身近になったオークションではないでしょうか。

※オスピス・ド・ボーヌのオークションの様子
※ラベルにはワイン名や畑名以外に、落札者の名前等が入り販売される

最後に、ご存じの通り一般的には、美術品を含めオークションの取引では当然ながらリスクが伴います、高級ワインの世界にも偽造品や模造品、盗難品が流通していることもあり、判明した有名なワインの偽造事件だけでもいくつもありますし、先にご紹介したロマネ・コンティの世界中での取引数量は、該当年の生産量の倍以上あるともいわれます。

時には有名なオークションハウスのロットに偽造品が紛れ込む場合もありましたし、世界的なオークションに私が参加するようになるには・・・・・・もう少し時間がかかりそうです。

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<ブログ投稿>
高橋 健太 KENTA TAKAHASHI 

2003年 辻調理師専門学校フランス校 卒業後
フランス・ローアンヌ トロワグロ勤務
2004年 帰国後 アークヒルズクラブ 入社
その後、都内のレストランで勤務
2010年 ルヴェソンヴェール東京入社

日本ソムリエ協会 認定ソムリエ
メートル・ド・セルヴィスの会 会員

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Posted by madoi